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海水浴にやってきた姉妹。
しかしジュースを飲み過ぎて尿意を催してしまう。
仮設トイレに向かうも、そこには大行列ができていて……!
♭3日目 海水浴でドッキドキ!
「海よ、海! いやっほぉぉぉう!」
真っ青な海に、綿菓子のように濃密な入道雲。
焼けるような砂浜は、目が眩みそうなくらいに真っ白で、たくさんの人で賑わっていた。
「早く早く、お姉ちゃんも一緒に泳ごう!」
「まずはしっかり準備体操しないと、ね」
海を前にして、早くも茜はハイテンションになっている。
そんな茜をよそに、葵はピンクのレジャーシートを広げて、その端っこに靴やカバンを置いていく。これでちょっとはそっとの海風で飛ばないはずだ。
すぐに父と母がくるから、海に行くのはそれからのほうがいいだろう。それまで、準備体操でもしておけばちょうどいい時間になっているはずだ。
「茜、まずは慌てずに準備体操、ね?」
「ええーっ! 早く泳ぎたいのに!」
茜は不満そうに口を尖らせながらも、一緒に準備体操してくれる。
屈伸するたびにツインテールに結わえ上げている亜麻色の髪がピョコピョコと跳ねていた。
(茜、ずいぶん大胆な水着選んだんだなー)
屈伸をしながら、葵はそんなことを考えていた。
茜は大胆にもビキニタイプの水着を着ている。白地にピンクの水玉模様で、おへそが丸見えになっていた。
まるでブラとショーツで外に出ているみたいだ。
(私は……、あんな可愛い水着、着れない、かな……。下着姿で外に出てるみたいで恥ずかしいし)
やや羨ましげに茜を見つめている葵が着ている水着は、紺色のスクール水着だった。
いつも学校で使っているものを、そのまま着ている。
レースのスカートのようになっている可愛らしいデザインのスクール水着も売られていたけど、そういうのはなんだか恥ずかしかったので選ぶことができなかった。
(私も、茜みたいに大胆な水着、着れたらいいのになぁ)
そんなことを考えながら準備体操をしていると、やがて父と母がやってきて――、
「よしっ、準備オッケー! お姉ちゃん、早く泳ごうよ!」
「ちょっと茜ったら、そんなに腕引っ張らないで。腕が抜けちゃうって」
「早く♪ 早く♪」
妹に手を引かれるがままに波打ち際へと踏み込んでいく。
夏の海は冷たくて気持ちよかった。足の裏が真っ白な砂浜で熱くなっているから、なおさら気持ちよく感じられる。
「んっ、気持ちいい」
「もっと深いところで泳ごうよぉ、お姉ちゃん♪」
「うん。でもあんまり深いところまで行ったらダメなんだからね」
「分かってるって」
こうして茜と葵は海で泳いだり、疲れては砂浜に上がってジュースやかき氷を食べて(もちろん昨日お腹を壊してしまったからほどほどの量にしておいて)、何度も海に入って泳いだ。
だけどどんなに楽しくても、生理現象には敵わないようで。
「……あっ」
ぶるるっ。
葵が切なげに身体を震わせたのは、波打ち際で妹と水の掛け合いっこをしているときのことだった。
さっきジュースを飲んだから、そのぶんがおしっこになったようだ。
「どうしたの? お姉ちゃん。急にボーッとしちゃって」
「ちょっと、おトイレ行きたくなってきちゃった」
「それじゃ、アタシもー」
海水浴場はたくさんの人たちで混み合っていて、トイレがどこにあるのか探すだけでも一苦労だった。
こうしているあいだにも、一滴ずつおしっこが溜まってるっていうのに。
(ううっ、おしっこしたい……っ。おトイレどこにあるのよっ)
じゅわり、じゅわわ。
股間に生温かくも取り返しのつかない感触が広がる。
鳥肌が立った内股に、つつと生温かい感触が這い、落ちていった。
どうやらチビってしまった……、にしては、ちょっとだけ量が多いようだ。
水着を着ていなければ、おもらしにカウントされていたことだろう。
(やだ、我慢、できない……っ)
もしもこれ以上おしっこを漏らしてしまったら股間のところに暗い染みができあがっているかもしれない。
そう考えただけで、葵は浮き足立ってしまう。
あまりの尿意に腰が引けてしまっていると、
「あ、おトイレ見つけた~。ほら、あそこだよ」
「えっ、本当!?」
茜の声に振り返る。
……が。
直後には葵の頬は凍りついてしまった。
茜が指さすその先には、確かに仮設のトイレがあった。
しかしそこから伸びるのは、長蛇の列。
どうやら水着を脱ぐのに時間がかかって、それだけ行列も長くなってしまっているらしい。
「あっ、むり」
長蛇の行列を前にして、フッと葵の意識が遠のいてしまう。
その隙を尿意が見逃してくれるはずがなかった。
ジョボボッ!
「あうっ」
水風船のように膨らんでいる膀胱から、生温かいレモネードが噴き出してきてしまう。
咄嗟に前抑えして止めることはできたけど――、
葵には分かる。
この手を離したら、間違いなく決壊してしまうことだろう。
「ううっ。漏れちゃう……、かも……っ」
葵は額に脂汗を浮かべながらも別のトイレを探そうとする。
だけど両手で抑えているおまたからは、ズーンとした疼痛が感じられる。
早く出さないと身体に悪いぞ、と身体が警告をしているのだ。
「うう……っ、アタシも、もうピンチ……!」
茜の尿意も限界のようだ。
ピンクの水玉の水着に覆われているおまたを、ギュッと両手で前抑えしてみせる。
どうやら茜もピンチなようだ。
その切羽詰まった妹の姿を見ているだけで――、
じゅわ、
じゅわわ……。
前抑えしているというのに、葵も生温かい感触漏らしてしまう。
指の隙間からも溢れ出してきて、つーっと、内股をレモネードがくすぐっていく。
「うっ、ううっ! お姉ちゃん、もうダメかも……っ」
「アタシも、もう……っ。こうなったら、お姉ちゃん、こっちこっち!」
「えっ、ええ!? 茜、こっちにおトイレあるの!?」
「うん! あるある!」
茜に促されるがままに砂浜に戻ってくる。
だけどもう我慢の限界を越えてしまっている葵は、前抑えしていてもじわじわと漏らし続けてしまっている。
それは茜も同じことなのだろう。
前抑えしている茜の内股には、歩きながらもおしっこのせせらぎができつつあった。
じゅわっ、じゅわわっ
じゅわわわわわ……っ
あまりの尿意に、葵はへっぴり腰になってしまう。
普通に立っているだけで、もう漏らしてしまいそうだった。
前抑えしながら、更にはへっぴり腰……、それは水着をまとった思春期の少女にとっては、あまりにも屈辱的なポーズだった。
「お姉ちゃん、こっちこっち!」
「ううっ、茜、本当にこっちにおトイレが……!?」
じゅわっ、
じょぼっじょぼぼっ。
もうどんなに前抑えしていても漏れ出してきてしまう。
葵の、そして茜の内股にはおしっこの滝ができあがろうとしていた。
しゅわわわわわわ……。
ぽた、ぽたた……。
ぽたぽたと、白砂におしっこの雫を残しながら。
それはまるで、姉妹の足跡のように残ってしまう。
もはや歩きながら漏らしているのか?
それとも漏らしながら歩いているのか?
それは茜にも、そして葵にも分からなかった。
「……って、まさか茜、おトイレって……!」
「うんっ、ここ!」
まさかと思ってイヤな予感がしていたけど、その葵の予感は当たってしまったらしい。
なにしろ先を行く茜が向かうその先は――、
今年の夏は海水浴ができるような環境になりますように。
この記事を更新しているときは緊急事態宣言が解除されたばかりで先行き不透明ですけど、少しでも楽しんでもらえますように。
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